sketch/2016.1.7【ペットの使命】

 八国山緑地の坂を上り、’’いなげや’’のカーブを抜け、セブンイレブンの手前の坂道でふと思う。なぜかパッと思う。


 癒しとは、自分の優しい心を感じることだと思う。少なくとも私にはそうだ。数日前の朝にすれ違ったおばあちゃんの無垢な眼差しに、私は癒された。あの気持ちが何なのかずっと考えていた。例えば、誰かに優しくされても、自分がそれを受け入れられなければ、いい気分になどならない。笑顔を向けられたら、笑顔で返せてこそ、いい気分になれるものだ。私はおばあちゃんに優しくされた訳でもないが、優しい気持ちを頂いた。そんな事を分析していると、ペットのことが浮かんだ。


 ペットの使命とは、『人間の無垢な優しさを維持する事なのかもしれない。』犬や猫の愛くるしさ、お腹がすいた時の現金な振る舞いに、私たちは『癒される』と表現する。しかしそれは間違いだ。彼らに向ける事の出来る愛情に、人間自身は満足し癒しの効果を味わっているのだ。癒しとは、自分の中の優しい心と向き合えた時に訪れる。そう考えると道行く犬や猫も神の使いに見えてくる。私にとっては。