sketch/2015.6.30

ここ数日は、昆布で出汁をとったみそ汁と、出し巻きたまご、しそと梅のおにぎりで生活をしている。あとノ二ジュース。人間の体で一番消耗する機能は食べる事だそう。良く噛んで消化の機能を助ける事はやはり体に良いのだと、いつもの倍以上の咀嚼(そしゃく)をした食事の後で思う。正直、不食にはなれなと思うが、粗食が人の機能を高める効果を、とても感じている。経済成長が人間の体に及ぼした一番の影響は、食事情なのかもしれないと思う。飽食を得る変わりに、人間的な多くの機能を失っていると思うこの頃。それでも僕はまた、深夜のコンビニや、どこかの町のロイヤルホストにお世話になるのだと思う。

sketch/2015.6.29

僕がロイヤルホストを選ぶ理由は、他のファミレスとは決定的に違う’’もてなす感じ’’にある。数百円高い料理にも、その空間やもてなす価格を払う価値がある。レッドロブスターも同じくそう思う。井の頭通り永福店も間違いがないようだ。お客の年齢層は高く、襟を正した老人夫婦の会話が隣の席からこぼれてくる。「昨日のホテルはよかった。」などと話している。箱根の冨士屋ホテルにもそんな感じの老夫婦がいたことを思い出す。美味しそうなハンバーグの香りに誘惑されるが、数日前に読んだマーマーマガジンメンズ創刊号の不食に対するコラムの影響を受けている僕は注文をしない。オーガニック珈琲を2杯飲んで、入間へ車を走らせる。

sketch/2015.6.28

羊毛くんと見田くんのThe BOCOSとは同郷。エンジニアの原さんも、家系図の大元は沼津の’’原’’に由来するらしく、静岡県東部地方なguzuri recording houseの一日。珈琲とおにぎりを作って録音前の雑談。そして僕はエアストリームへ。気がつけば8時間ほどギターを引き続けている。今夜の頼んだピザの宅配員は初めてのトレーラー宅配だったのだろうか。guzuriへもどり、皆に富士宮やきそばを振る舞う深夜0時。また一つ、ここから音楽が羽ばたいてゆく。

sketch/2015.6.27

梅雨のもっとも梅雨らしい一日。降ったり止んだりする雨は激しくなく、傘無しで歩けるが全身にしっとりとまとわりつくような''いやらしい''雨だ。などという冒頭の短編小説がはじまりそうな天気。暇な店内。それでも、ちらほらと憩う人達。珈琲や食事とともに、空間提供という仕事。直接的であり間接的に人と関わる、その両方のバランスが心地よい場所でありたい。

sketch/2015.6.26

WNConcertも4回目。先週とは打って変わり、ゆったり和やかな店内。3名のオーディエンスと作る空間は、本当に語りかけるように歌うことができた。この空気を何万人の前で届けられるのがJamesTaylorなのだと思う。あの日、ハリウッドボウルの大観衆の中にいた僕は、JTの家にでも来たかの様な感覚に、時々なった。巻き込むようなパフォーマーにはなれないかも知れないけど、もてなす事のできるエンターテイナーになりたいと思う。

sketch/2015.6.25

立川のアメリカ村に住むヒロト君達の録音。ちょくちゃくと出来上がってくる曲に、コードのシンプルさとメロディーの良さが引き立たせるアレンジの奥深さを感じる。シンプルな曲はアレンジがとても面白いのだと思う。そして相変わらずお弁当がすごい。彼らのお陰で僕の食に対する意識も実践的に、確実に変わってきている。最近は外食が減っている。彼らのお土産で、ノニジュースを頂く。衝撃的な味だけど、好きだった。ハマる兆候。

sketch/2015.6.24

久しぶりに町のスタジオに入る。スーパーデッドな響きで4時間。夜は新宿で某録音の打ち合わせ。それとは別でJJF復活の兆しの朗報。SASAKLA&JJFの楽しい珍道中ツアーを思い出す。未だにそのアルバムが好きだと言う人が多い背景には、ひたすらにアイリッシュ音楽とJJFの包容力の賜物だと感じる。1人で続ければ続ける程に感じる。ひさしぶりにトシバウロンと話すが、相変わらずお腹が太鼓のようだった。ジョンちゃんとアニー君も良い笑顔だった。

ウラ TIME STREAM Vol.2

2014年2月25日 、ジェニファー達に別れを告げ、もう1台のエアストリームへ向かう。持ち主は、大雑把な住所しか教えてくれず、近くまで来たら電話をしろとのこと。アリゾナ州スコットデールを後にし、プレスコットまで北上。

現れたのは、リアルフラワーチルドレンのフィル。若い頃はサンフランシスコにいたらしい。交渉成立して記念撮影。エアストリーム2台目をゲット。

実は花粉症のフィル。しかし、見事なまでのリアルなビックサンダーマウンテン。そのままで映画のセットのよう。

ジェニファーのエアストリームよりも状態は◎。

Helplessの生まれた大地。若き日のニール・ヤングが目指したLAまでの道のりに想いを寄せる。ウエストコーストまで、気の遠くなるドライブの途中。



つづく

sketch/2015.6.23

真夜中の所沢街道。空腹。まぼろし軒の誘惑を断ち切るも、今夜もコンビニの冷凍食品をつい手に取ってしまう。便利さゆえに選択してしまう。9%の酎ハイで酔いがまわりだしてから、体の事を思う。

sketch/2015.6.22

富士見公園を望む立地に佇む古い米軍ハウスが2軒。オリジナルの風情を残しながら存在する、今では数少ないハウス。そんな2軒を濱田英明のカメラに納めてもらう。建築士で僕の大工の親方でもあるお隣の森さん。入間に越してからおよそ9年もの間、お隣さん。今日みたいな一日は、’’また日々を積み重ねてゆける糧となるであろう時間の流れ’’をいっぱいに感じる。巡り合わせの不思議を、これからも信じていられると思う。カイ君は洋服、濱田さんは写真、森さんは建築。それぞれのエキスパートに刺激をうけた週末。

sketch/2015.6.21

ここ数年は黄色いMマークの店に入っていない。1年に一度くらい、無性に食べたくなる。学生の頃はよくビックマックのLLセットで空腹を満たした。SNSに出回る真実?が、若き日の僕の体に一体どんな影響を及ぼしたかは知れない。ただ、青春の味である事は確か。久しぶりのポテトをほおばりながら運転していると、雨が降り出してくる。芝の増上寺は2001年の大晦日以来に訪れた。ちょうどライブハウスでライブをしなくなったのもその時期だった。雨が降るステージで、10年くらい前の雨の曲と、今年作った雨の曲を続けて歌ってみる。今年の曲は、僕の凝り固まった複雑な気持ちのようにコードやベースラインをウロウロする難しい曲だった。10年前の曲はゆったりと、自由で簡単な曲だった。

sketch/2015.6.20

午後の斑の中で乾杯をする。小豆島のうどん、ボイルした蛸を小豆島のオリーブで。ランチタイムをPHABLIC×KAZUIデザイナーのカイ君と過ごす。早い午後のguzuriはひっそりかん。そのあとは、畳み掛けるような忙しさ。待つ仕事は、そのペースを自分で決められないのだと、改めて感じる。WNConcertも3回目、やきそば作りも板についてくる。そしてまた、カイ君の服が1着増える喜び。PHABLIC×KAZUIの夏物も入荷。

sketch/2015.6.19

半日程、喫茶店で過ごす。雨の日の珈琲は格別。すっかり日も落ち、大型スーパーへ。カートを引く幸せそうな家族の風景に、ぼーっと見とれる。昨日の敗北感からの逃避で、秩父にホルモンを食べに行きたい衝動を押さえ込み、マイクに向かう気力に変換する。深夜0時ころ、3日前からのRECのタイムコードが450分を超えた辺りで、体の響きの変化に出会う。プロテニスプレイヤーにはなれなかったけど、あの頃よりも粘り強くなっている34歳がここにいる。アドレナリンを感じる。

ウラ Time Stream ~since 2014~ Vol.1




溯ること1年と4ヶ月。2014年2月25日。LAからアリゾナまでのロングドライブ。薄暗いモーテルで一泊。現ナマとニール・ヤングの自伝と共に就寝。



夜が明けて辿り着いた荒野の豪邸は、うっかり敷地内に入ったらいきなり打たれてしまいそうな雰囲気。

guzuriの他に借りていたアパートを引き払い、アリゾナまで Air Stream を買いに行った。アパートの家賃1年分に満たない金額だと、この大きな買い物を自分の中で正当化させて。

フィドル弾きのジェニファーと愛犬。書類にサイン中。


この買い物は、ここからが始まりで、日本へ運んでからも内装作業や雨漏り事件などなど。手のかかる事ばかり。それでもなんとか良いスペースへ変わりつつあります。しかし、まだまだ完成にはほど遠い状況。

ここでは、そんな物語を少しずつ公開していこうと思います。末永く、気長によろしくお願いします。

ジェニファーとお父さんと

sketch/2015.6.18

たしか、1997年。東海大会16歳以下ダブルスで優勝した僕らは、全日本ジュニア選手権で第7シード。有明テニスの森のコートに居た。手も足も凍り付き、あっさりと敗退した帰り道と、今日は同じような気がする。こんな気持ちにまたなれるなんて、人生はおもしろいじゃないか。明日へゆくほどに、立ち返る。そしてまた明日へゆこう。ハナレグミの歌に救われる。永積さんからのメールで少し楽になる。

sketch/2015.6.17

狭山警察署はずいぶん老朽化している。生活安全課の待ち合いの椅子は、昭和の風格。古物商申請書に不備があり、肩を落とす。身分証明書は本籍地の役所が発行したものが必要だった。兵庫の田舎を思い出した。親父はまだあの国に居るのだろうか。数年前の国際電話で入間に居ると伝えたら、「なんだビルマか、隣だな。」などととぼけた事を言っていたのを思い出した。

sketch/2015.6.16

guzuriは午前中のみの営業。なんだかんだお客様が来て下さるので、とてもうれしい。注文していたVOLNADEのサーキュレーターが届き、素晴らしすぎて感動する。ただ、歌えど歌えど、理想は遠くへ行ってしまう。

sketch/2015.6.15

北側の窓から光の入るguzuriを久しぶりに見る。美しい朝の光。それだけでモーニング営業をする甲斐がある。やっぱり朝は好きだ。寝起きでも声がよく出てくれれば、朝の録音をしたいと思うが。さておき、午後は久々にマイクを立てて歌う。あれよあれよと日付が変わりそうな時間帯に。今日も深夜のスーパーマーケット。広々とした、いかにも郊外の駐車場。きっとそこそこの、半額になった刺身。それをマリネに。豆もやしのナムルをつくって、濃いめの酎ハイと、みょうがを素麺にのせて。ショッピングカートで行ったり来たりしながら、空腹を満たすそれらに舌鼓。明日の為にゴーヤも買う。

sketch/2015.6.14

梅雨はどこへいったのか。いい天気。よく風が抜ける。ランチタイムを過ぎてから混み合う店内。閉店まであっという間。そして映画館へ歩く。良い映画を見ると、自分の中に何かしらの蓄えが増えるのを感じる。それはふとした時に、感情とリンクして言葉になるのだろう。帰りの道すがら飲むアルコールと少し冷たい夜風。

sketch/2015.6.13

朝、重たい体に鞭を打つ。暑い一日。かろうじてエアコンを入れないguzuri珈琲店。夕方になると外は涼しいが、やはり熱の籠る室内。なにかしら対策を検討。ぱっと見えた桃色の空に誘われて、公園へ出る。夕焼けの最後の時間。夏が近づいている。

sketch/2015.6.12

雨が降ったり止んだり。すこしの晴れ間。夜には涼しい陽気。昼間の営業から久しぶりの軽トラックと肉体労働、そしてWNCのVol.2。古物商取得の書類を用意しながら、また一つ手段をつくり出そうとしている自分のことを考える。歌も生活も、並列で続いてゆく。

sketch/2015.6.11

ユーザー車検に所沢まで。ついでにさいたま市の法務局まで。初夏めいた荒川沿い。川にせり出した、筏のような船着き場のような場所で釣りをする人や、河川敷でスポーツをする人たちが見える。梅雨入り後の初夏めいた陽射し。ふらふらと夜のスーパーマーケットで大きなキャベツを買う。

sketch/2015.6.10

昨日行った吉祥寺の町の変化はめまぐるしく、駅などはもう昔の改札をすぐには思い出せない。この頃は変化や新しいものに対して歓迎よりもノスタルジーの方が先に立つモードのせいか、古い喫茶室が妙に落ち着く。昨日の燃えるような夕焼けに、翌日の晴天を予感した。今日は少し夏っぽい。冷房と外の風がちょうど良く混じり合う席に座る。ミックスサンドを注文。生活は続く。そしてまた歌が生まれればいい。

sketch/2015.6.9

中央線からは真っ赤に燃える空。まさに燃えるような。異様な雲にすこし恐怖する。夜は随分肌寒い。久しぶりの吉祥寺の町。アルマカンの味付けは、懐かしむには早すぎるけど、懐かしく。2年近くguzuriを任してきた味つけと、初めて会う人とのバランスの、丁度良い時間が流れる。

sketch/2015.6.8

真夜中の雨の道で転んだ。何事も転ぶほどに学ぶものだと、ほろ酔いの頭の中でうなずく。自分にしか分からない幾つかの間違いが巡る。慣れないコードワークと体に馴染んでいない言葉。出来たばかりの曲をやると、やっぱり生きている心地がするようだ。同い年で、カフェを経営するシンガーソングライターが二人の夜。話し込むと長くなる。甲府盆地に真夏がやってくる頃、パタゴニアの南を訪ねてみようと思う。今年の夏が待ち遠しい。梅雨入り。

sketch/2015.6.7

guzuriの事務所スペースを、中2階のロフトへ移動。録音用のスペースがまた広くなる。相変わらず富士宮やきそばが人気。そして年のせいか、少しずつ郷土愛が芽生えている事に気がつく。

sketch/2015.6.6

23時過ぎ、ようやく明日の買い出しに出る。0時までのスーパーマーケットは今では珍しくない。夜に注文した本も翌日に届く。競争と便利さの追求に歯止めが掛からない。インターネットの接続が悪く、ほんの数秒の遅れにイラッとする。そんな自分が嫌になる。

sketch/2015.6.5

ふいに思い立った週末の夜のコンサート。出来立ての新曲を幾つか演る。昔は、作りかけの曲もライブでやったりしていた。新曲は、うまくいかないと1回のライブで2度も3度も歌ったものだ。その頃は市川真間の駅のホームがよく見える店のマイスターに見守られていた。Weekend Night Concertはそんな夜を思い出した。出来る限りの週末のどこかで、続けて行こうと思う。

sketch/2015.6.4

雨の季節が来る前にと、エアストリームの雨漏り修繕の続き。あれもこれも、少しずつしか進まない。買い出しに行く度に、何かを買い忘れる。コードが落ち着かない曲と向かい合う時間。美しいサーフスケートボード。あれもこれも少しずつ着々と進む。

sketch/2015.6.3

朝の雨。晴れ間や曇り雨が行き交う午後。表情豊かな空模様。思わず外に飛び出してしまう夕焼け。コウモリが飛びはじめている。季節が動いている。相変わらず滑走路から吹き抜ける風が強い。

sketch/2015.6.2

昨日の余韻は午後に日が陰るまで続くが、公園を走る車式の芝刈り機の音がうるさすぎる。今夜見た演劇は両極端の世界を描いていた。日常と、この世の無情を行ったり来たりする内容と、それを表現しようとする役者という存在の矛盾。その大きな矛盾こそが「わが星」なのかもしれないと思った。

sketch/2015.6.1

夜道を歩くと、夏休みのはじまりの日のよう。レンタルビデオ屋とコンビニまでの道のり。夜風はすこしひんやりとしていて、ハワイとか、カリフォルニアの夜を思い出した。まだ本調子でないので、ギターを弾いては休み、さっきレンタルした漫画を読んだりする、とにかく印象的な一日。こんな日が、一年に何度かある。