【メルマガ「窓越しの世界」創刊のお知らせ】
その続編が「窓越しの世界」と題したメルマガとなって配信されることになりました。
「sketch」は2013年1月より始まり、2014年11月から2016年4月17日までは
毎日分を不定期に更新してきました。
小説の一節のようであったり、一瞬の描写であったり、時にはつぶやき、
ふいに心がこぼれたり、2年以上に渡り様々な表現の形を残してきました。
8月5日創刊となっておりますが、購読申し込みして頂いた方々には、
4月18日以降の毎日分が既にご覧頂けるようになっています。
(現在は4月30日までをご覧頂けます。)
「窓越しの世界は」これまで通り「sketch」の形態で進めて行きますが、
これからは定期的に皆様にお届け出来る媒体として執筆していきます。
よろしければ是非ご購読ください!
http://www.mag2.com/m/0001674179.html
笹倉慎介
sketch/2016.4.15【明日へゆけ】
牽引免許の卒業検定を終え、午後の北埼玉。北関東のどこまでも続く平野には、ところどころに菜の花畑の黄色が美しい。
小川がきらめく。
季節の明らかな変わり目に気がつくのは、こんな一日である。光の種類が変わるといった感じだろう。
「撮りますよ、はい。」
写真機へ向かう私の顔は自分でも分かるくらいに疲れ、すこし老けた気もする。
苦し紛れではあるが、『深く味わいのある』という表現であれば、明日へ向かえそうだ。
新しい免許証をまじまじと眺める。
辺りを見渡すと、同じようにうつむき歩く人の群れの中。
sketch/2016.4.14【大事を避ける為の】
環状八号を北上しながら、昨日の自分の選択にご満悦の私であったが、回復に向かう午後の天気とは裏腹に雲行きの怪しい状況。
大事ではない事件は、大事を避けるための必要条件だと思う事にするわけだ。
sketch/2016.4.13【低気圧の心】
軒先からしたたる雨粒がベランダの手すりを叩き、カリンバのような音がしている。
不規則な音が続いていると、それはそれで規則的にも聞こえ始めるから不思議だ。
ここは日本で今は春の、まだ凍て返したりする時期であるが、亜熱帯の木陰でうな垂れる心地がするのは、さっきから聞こえてくる音がカリンバよりもバリのガムランの音色に近いと気がついたせいだろう。
もう深夜1時をまわったところ。明日は早い。
雨脚が弱まると今度こそ、ガムランの音色よりもカリンバに近い気がする。
sketch/2016.4.11【人も銭も揃うなら】
録音のセッティングというのは、本当は1日かけて行いたい。出来ることならば、音作りにもう一日。そして3日目あたりから本腰を入れて、1週間くらいを一日3時間程度の集中力で続けたい。
人も銭も揃うなら。
寿司屋で軽くのつもりが、居酒屋へはしご。
sketch/2016.4.9【花びらの記憶】
この季節、桜吹雪きに出会うと何とも言えない幸福感に包まれる。
満開は好きじゃない。咲始めや葉桜が好きだ。満開などを見ても、気持ちの行き場に困る。
ずっと出来ずにいた恩返しの気持ちもあったのだけれど、一緒に音を鳴らすと、それどころか、私はまたもや、沢山頂いてしまったのだ。
満開は少し行き過ぎ、ハラハラと舞う花びらの記憶がまたひとつ生まれる。