PUFFIN RECORDS YouTubeチャンネル

PUFFIN RECORDSのオフィシャルYouTubeチャンネルが始まりました。
昨日はセカンドアルバム「Spring Has Come」の全曲がフル試聴出来るようになりました。
思い返すと、セカンドアルバムはMVを作っていなかったので、実際に購入して下さった方のみ聞く事が可能でした。発売から1年と半年が過ぎようとしています。昨日、久しぶりにアルバムを聞き返してみると、録音の風景、演奏しているミュージシャンの息づかいや、エンジニアの気配が作品の中に凝縮されていました。


素晴らしいメンバーに支えられて完成したアルバム。売れる、売れないの前に、聴いてもらいたいという思いが初期衝動のように湧いてきました。今後も過去の作品をアップする予定です。これから沢山の人が気軽に聴く事が出来ると思うと、なんだか新しくCDをリリースしたとき以上にワクワクしますし、作品も喜ぶと思います。各曲の詳細欄には参加ミュージシャンのクレジットもあるので、そちらもご覧頂きながら楽しんで下さい。各曲のエピソードもそのうち追加出来たらなどとも思っていますので、どうぞよろしくお願いします!


PUFFIN RECORDSのチャンネル


 

音楽でやっていく

大学の建築学科を中退してから12年と半年経つ。


あの頃、わけも分からずに「音楽でやってく。」それだけで学校を辞めた。
担任教授が電話で保護者確認をする。たしか国際電話で、もう何年も会っていなかったけれど、親父にはとくに何も言われなかった。あっけなく退学の手続きは終わった。


それから1年経って、学校の仲間と同じように就職した。不動産売買の営業マンになった。ビギナーズラックか、月収は100万円を超えた。就職したのは、お金に困っていたし、すこし自分に諦めを感じていたからだったと思う。
建築と不動産の勉強を改めてしながら音楽活動をして、その傍らで文学を追い、三島由紀夫を片っ端から読んだ。新しい生活の中で自分の中に枯渇していたものが徐々に埋まっていった。部長にすこし長い手紙を書いて退職した。その時代は、たぶん今のいしずえになっている。
その後、小説の中に出てくる様な珈琲店と出会い、働きはじめた。3年程、珈琲と哲学に浸り、様々な考察を繰り返した。
大学へ入ってからその頃までは、まるで前世の出来事のように、周りに居る人も環境も変わった。


先日大学の友人がguzuriを訪ねて来てくれた。会う前は今の自分がどんな風に映るだろうかと、ドキドキした。会ってみると時間は思った程には経っていない気がした。
住宅、病院や施設の施工管理として企業で活躍する彼らの姿はとても頼もしく、歳月を重ねた経験値を感じた。丁度ホームセンターへ行く用事があったので彼らを誘った。木を選定する作業の中で、各人の目に共有する知識や歴史を感じてしまい、嬉しかった。別々に年を重ね、別々の生活の中で培ってきたものが共有される喜びだった。木を選ぶ、ただそれだけなのに。楽しい時間だった。


「音楽でやって行く。」という大義名分をかかげた若者は、あれから右往左往して今、朝の珈琲店にいる。そんな「やって行く」という、いまいましいしくてやっかいな言葉とは「うまくやっている」つもり。
二十歳の頃の自分の歌声を聴いて思う。諦めの悪さだけは持っていたね。


大学を辞めて12年と半年経つ。
久々に友人と会って書き留めたくなった。

guzuri sunny session at HADEN BOOKS について

10月のguzuri sunny sessionは入間を飛び出して、南青山にあるHADEN BOOKSで行います。


今回のセッションはHADEN BOOKSとその店主である林下英治(ハヤシタエイジ)さんとのセッションです。


林下さんとの出会いは2012年の夏、西麻布にあるSWITH PUBLISHINGの運営するカフェRainyDayでのライブイベントに出演した時のことでした。当時、林下さんはRainyDayの店長をしていました。その時の印象は、とにかく気配りの行き届いた人だなと、会場入りした時から打ち上げが終わり帰るときまで、それを感じていました。お客様への配慮や、ミュージシャンへのホスピタリティーに対して、共演者だったWaterWaterCamelのメンバー達とも口を揃えて「なんだか、東京のど真ん中に居る気がしないね」などと、驚いていたのを覚えています。


林下さんとの交流はその後も続き、何度かライブにも足を運んでくれました。ある日のライブの打ち上げで、林下さんが自分の店を持つという話を伺いました。そして、その物件の改修工事をする大工さんを捜しているとのこと。そこで話は盛り上がり、僕がHADEN BOOKSの内装をする事になったわけです。その後、古材を探しに遠出したり、イメージを少しずつ共有していきました。本格的に工事が始まるまで半年程かかりました。工事には意外と大掛かりな部分もあり、親方(親方については後日詳しく)と協力して作業を進めました。コンクリートを削る(はつる)ところから、テラスや間仕切り、トイレなどなど、少しずつ手をかけて行きました。お店がオープンした後も、本棚を作ったり造作物は続いています。


そして、いつも工事に入る度に様々な人に巡りあうのも楽しみの一つです。


イラストレーターの小池アミイゴさんや、写真家の中川正子さんなどは、不思議と行く度に出くわします。実はRainyDay時代の林下さんに僕を紹介してくれていたのはアミイゴさんでした。また、訪れる度に感じるのが、HADEN BOOKSには人の連鎖を生みだす引力があるということ。そして、とても気配りの行き届いた空間だと思います。


始めて林下さんに出会ったときに感じたおもてなしは、彼の中での自然な振る舞いとして、今も僕の目に絶えず映ります。


 多くの人が田舎に拠点を移す時代に、青山にこだわりを持ちつづける。その意味は、日々 HADEN BOOKSを訪れる人々によって積み重ねられています。都会のど真ん中にHADEN BOOKSがあり、林下さんが居る事で、循環し、始まることがあるんです。


 HADEN BOOKSが始まる前から、この場所でのコンサートの実現を林下さんと話していました。guzuri sunny session の番外編は、僕がお手伝いをさせてもらった場所で行う特別なコンサートです。目の前が大きな公園のguzuriと、目の前にビルが建ち並ぶ HADEN BOOKS。対照的な二つのようですが、それぞれの窓からの景色は美しく、心地良い場所です。そこに流れる時間と音を感じて頂ければと思っています。


 因に、HADEN BOOKSのロゴにあるツバメの絵は、さかなのギタリストで絵描きの西脇一弘さんによるものです。僕のPUFFIN RECODSのロゴやミニアルバムCountryMadeのジャケットの絵も西脇さんによるものです。HADEN BOOKSでは西脇さんの大きな絵も2枚見る事が出来ます。


 そんな風に、時を重ねることで生まれる繋がり。


今日もHADEN BOOKSでは日常の風景としてそこに在るのでしょう。

小豆島ライブ【満月バー in タコのまくら】

小豆島でのライブはこの一年間で実に4回目。今回の小豆島行きはトシさんの一言が切っ掛けでご縁が生まれました。


SASAKLA&JohnJohnFestivalのジャケットを描いてくれたダニーちゃんの紹介で島への繋がりが生まれ、始めて島へ渡ったのが去年の11月末でした。一度目は坂手港にある【ei CAFE】の多目的スペース【ei STUDIO】。二度目は今年五月、馬木地区にある瀬戸内芸術祭の作品のスペース【umaki camp】。3度目はトシバウロンと巡った四国ツアーの際に【ポンカフェ】にて。
そして今回はグランドオープンが間近に迫る、池田港近くのカフェ、【タコのまくら】にて。


今年の7月にトシバウロンとのツアーで島を訪れたライブの翌日。
1度目のライブからお世話になっている移住者の大塚一歩さんが、umaki camp でピザパーティーを催してくれました。奥さんの智穂さんはポンカフェで働いていて、その他ライブ会場でも、いつもとてもおいしい料理を振る舞ってくれるのですが、その日はumaki campの窯で手作りピザを焼いてくれました。地元の人達とワイワイ楽しんでいると、とても雰囲気のあるおじさんに出会いました。よくよく話してみると、僕の住む入間狭山地区や米軍ハウスの事もご存知で、話の内容も実に興味深い感じを受けました。のちに分かるのですが、平野甲賀さんという日本のデザイン界では雲の上の様な人だとのこと。
奥様の平野公子さんと、最近移住されたイラストルポライターの内澤旬子さんが【満月バー】なるイベントを企画中で、誰か演奏者が居ないか探しておられました。トシさんが「ここに居ますよ〜」的な軽いノリで僕に話を振ってくれました。僕も「やりますよ〜」という感じで、次回の小豆島行きが決まった訳です。また島に来れる切っ掛けが出来て、詳細も何も決まっていないけど、島に行く事だけはその時に決まりました。トシさんのアシスト無しでは今回の小豆島行きは有り得ませんでした。サンキューバウちゃん。


会場は池田港の近くにある古民家を5年かがりで改装中(7月時)のカフェ。名前は【タコのまくら】。改装中のタコのまくらはオーナーの山ちゃんと、大工さん、数人のスタッフさんで作業中でした。初対面の山ちゃんと10月のイベントの話をして、その日がオープンになるという事を聞き、とてもワクワクしました。普段、内装仕事もしている僕の目に、タコのまくらは本当にキラキラして見えました。古民家の改装はいつかやりたい事の一つです。
そして今回、出来上がったタコのまくらは本当に素晴らしく、隅々まで手の込んだ、その仕事を見る度に身の引き締まる思いがする場所になっていました。


こけら落としのライブは、満月の夜、しかも月食の時間帯に、山ちゃんのスピーチから始まりました。スピーチを聞きながらホント気の引き締まる思いでした。
振る舞い酒で乾杯をして、ライブの後はタコ飯や沢山の料理が振る舞われました。
潮騒が聴こえます。道を挟んで低い堤防があり、そこに腰掛けて月を眺めながら思い思いの時を過ごす人達。タコのまくらからこぼれるのは、ひょうたんランプの優しい明りと、にぎやかな声。


日常の中の特別な夜。話を聞く度に、5年間の改装工事の過程の凄まじさを、しみじみと感じる。そして山ちゃんの人生の山あり谷ありを聞き、さらにしみじみしました。
5年前の自分を振り返る。JohnJohnFestivalとも出会っていない、小豆島の縁ももちろんない。
入間のguzuriもまだまだ今のように人を迎えられる状態ではなかったです。
タコのまくらの工事が5年前に始まり、2年半前に一歩さんが移住、その後、甲賀さん、内澤さんが島に移住。そうやって人と人が繋がり、満月の夜、タコのまくらに集うことになった事を思うと、日々を大切に紡いでいく喜びを、改めて感じざるをえません。今回のタコのまくらでの【満月バー】は、それぞれの5年間が集結した日でもありました。そしてそこからがまた始まりでもあり、島で頂いた感謝の思いを糧に、日々の仕事に帰っていこうと思います。


12月4日にはトシバウロンと小松崎健さん、岡林立哉さんの3人による【カルマン】のライブが小豆島のミレニアムホールであります。ハンマーダルシマー、馬頭琴、ホーミー、バウロンの音が、島の空気と解け合って素晴らしい時間が流れるのが目に浮かびます。


行きたいな、行こうかな。


カルマンのFacebookページ
https://www.facebook.com/karmanmusic?fref=ts

笹倉慎介のAirユーストリーム、特別番外編 【いってらっしゃい、まーさん堂の 回in 高知 terzo tempo】

笹倉慎介のAirユーストリーム、特別番外編 【いってらっしゃい、まーさん堂の回in 高知 terzo tempo】


今回のユーストリームは、高知のカフェterzo tempoの佐野くんと、同じく高知のゲストハウスとサーターアンダギー販売をしている、まーさん堂のまーさんをゲストに迎えてterzo tempoよりお送りしました。
今回は、まーさんが12月に石垣島へ行ってしまうという事を小耳にはさんだ僕が、これは行かなければ!という思いで企画しました。まさかのまーさん石垣行きは、今や日本中のまーさん堂ファンに衝撃を走らせています。香川県小豆島での演奏がずいぶん前から決まっていたので、これを機に高知へ行ってしまいました。


ご存知の方も多いと思いますが、佐野君は高知でterzo tempoという素晴らしい場所を築き上げてきました。いつもすてきな人達が集まる場所で、まーさんもその輪の中で出会った青年でした。高知へ行く度に彼らの生き方に触れ、いつも刺激をもらっています。
佐野君と僕は同い年で、お互い26歳の時に高知と入間へ移り住み、それぞれの場所で8年目を迎えています。まーさんは今26歳。26歳という年は、僕の周りだけかもしれませんが人生の転機の年なのでしょうか。過去と未来を話す26歳の瞳に僕自身も気の引き締まる思いでした。


放送前に高知市内の居酒屋で一杯引っ掛けながら、ひと通り近況交換をした所で、それぞれのターニングポイントとなる【26歳】というキーワードも生まれ、深~い話をする予定でいたのですが、高知のうまい魚と酒に溺れてしまい、いつも以上に締のない放送となってしまいました。
佐野君とは、彼の高知での8年と僕の入間での8年、お互いの輪がずいぶんと交錯しているという事もまた、深い酒になってしまう要因でもあります。
そしてまーさん、元システムエンジニアの彼が、様々な職を経験した結果、今の生活へ辿り着くまでの話はとても興味深く、そういう所こそ、放送したいところでした。しかしながら、その話は深夜のラーメン屋台でのこと。もろもろ大反省しながら、つきあってくれた佐野君とまーさんに感謝しています。


この番組、グダグダで締まりのない感じですが、そういう関係性になる前に、真面目なお互いの部分を知れているという大前提のもとお送りしています。普段、大真面目な事を、大真面目に人に届けるという事をしている人たちの、ちょっと砕けた人間模様が、面白い人には面白く見て頂けていたら、などとも思っています。
いまのところ、そんな番組【笹倉慎介のAirユーストリーム!】第三回目はin 高知でお届けしました。急遽、配信を見に来られたお客さんも交えての72分間。
まーさんが言うには洗濯物を干したりたたんだりする時に聞くのがオススメとのこと。


佐野君のこれからと、まーさんの門出に乾杯!


次回は11月のどこかで、ゲストは未定。