sketch/2016.1.11【直木賞作家の語る勝負とは】

 海の向こうの父から手紙が届く。短い文章だ。『三十五以降に勝負をかけた覚えがある』とあるが、そのお陰さまで私はあなたの事を良く知らない。


  私は三月で三十五だ。父に問うには飛行機で六時間ほど飛ばなければならないが、あの国のビールは好きだし食べ物も好みだ。もう十数年は会っていないし飛行機代もかかるが、直木賞作家がどんな勝負をかけたのかは伺ってみたい。