sketch/2015.12.10【幸せと呼べよう】

図書館で本を探す。棚の数字とプリントアウトした検索用紙を照らし合わせる。徐々に近づくドキドキ感。まさか図書館でこんなにワクワクしている34歳になっているとは思ってもいなかった。読書が嫌いな少年だったのだから。またしてもイスラム圏を舞台にしたノンフィクションが目当てだ。実際に国内を旅する時でさえこんなにワクワクしないのだからちょっとした中毒のようだ。図書カードを無表情で受付に差し出す私の心はすでにウキウキしている。まだまだ読みたい本がラインナップされているので暫くはこのウキウキ感が楽しめそうだ。街路樹が色づき、マフラー姿もちらほら。地下の駐車場へ降りる階段でも鼻歌まじりだ。万事うまくいっている訳ではないし、ここ数日私を悩ませる慢性的な頭痛を抱えながらだが、それでもこの足取りの軽さは幸せと呼べよう。