sketch/2015.11.28【紆余曲折どころではない】

小学生の頃は勉強が特に苦手で、初めてのテストは0点だったと記憶している。小学1年のころ、休み時間にベランダからそのまま帰宅して叱られた事は覚えているが、もう一度だけ学校を脱走した事があるらしい。私たちは保健室へ行き、そのまま無断で帰宅をしたそうだが、記憶はおぼろげ。そんなことがあったと彼は言う。最初はただのおじさんにしか見えなかった顔は、時間の経過とともに面影が浮かび上がり、最終的にはあの頃のままだな、などと思う。私の夢は人並みにプロ野球選手になる事だった。その後はテニスプレイヤーを目指し、さらには建築家を目指して上京。カラオケが下手で有名だった私は、いつの間にか歌を生業にしている。そして今日、その脱走仲間から「嫁の誕生日に歌ってくれ」と言われているのだ。あの日から今日までは、紆余曲折どころではない。