sketch/2015.11.27【キリストもびっくり】

寒空の朝の空気に灯油の燃焼不良のような匂いが混じる。自衛隊のジェット機のエンジンで燃えたその名残がこの町を包んでいる。近所のコーヒースタンドで聴いたJoy to the worldに、今年も年末へ向かい始めたのだなと感じる。この国のクリスマスも板についたもので、きっとキリストもびっくりだろう。安保云々の前に、この状況がどういうことなのかを受け入れないと、結局のところ話は堂々巡りをする。もっとも、堂々巡りするだけの知識など、私含めこの国のほとんどが、ましてや今このコーヒースタンドにいる客のすべてが持ち合わせていないであろう事を考えると、とうていお手上げだのだ。地方に独立国でも立ち上げようかなどと妄想し、独立国家ソマリランドに胸を馳せるが、そもそもそんな資金はどこにもない。まずは経費のかさんだ今月のスタジオ設備投資と、来月の家賃の算段が先決なのだ。