sketch2015.12.8【秘境へ出かけたら】

今年の正月以来にこじらせている風邪が私にもたらしてくれた休日は、また新しい本をあっさりと読破させてくれた。きっと明け方だろうから時計を見ずに読書灯を消す。暗闇の中、また少し私の世界を見る基準が動いたのを感じる。夢をみたけれどあまり覚えていない。ただ、砂漠の中を旅しているような夢だった。凝り固まった頭をほぐすにはノンフィクションが良い。世界の誰も知らない秘境を訪れた、そんな物語に、来年から珈琲に消費税をかけようかかけまいか悩む頭の中で出会うと、当然のごとく消費税をかけていこうという結論になる。自分の身は自分で守らなければいけない。結局この頭の中はほぐれたのか、さらに凝り固まってしまったのか定かではない。残念ながら私のノンフィクションは、風邪だろうがなんだろうが後から後から追いかけてくる請求書の山の中に埋もれていて、今秘境などへ出かけたら裁判沙汰が目に見えている。そして私には、この請求書の山を登頂し続けることが、秘境へ出かけることよりも困難に思えて仕方ない。