用賀インターからは片道4車線の広い道路だ。西日が眩しい。夕焼けが美しくて、思わず携帯電話のシャッターを切る。東名横浜町田インター出口は事故渋滞。あっという間に日が落ちてゆく。
国道16号線に入ると、この道が続く入間や西千葉インターの事を思ったりするのは環状線の不思議な効果。
あれは始めて事故を起こした夜。
用賀インターから東へ向かうルートは大渋滞で、私は高速道路を降りた。
道路標識を見ると、亀戸とある。私の住む船橋からほど近い東京の名称が目に入り、環状線外回りの北上を始めた。
夕方の環八は今も昔も大渋滞。そしてどう考えても亀戸とはあさっての方角に進んでいく。
お上りさんは環状線を知らなかった。
2時間くらい渋滞にはまり、方向感覚が麻痺をして途方にくれた。自分が今どこにいるのかも分からなくなり、ふと、月を探した。
車の窓から覗き込むように、ビルとビルの隙間の夜空に月を探した。
陸橋の緩やかな下り坂で、前の車に衝突した。
あれから環八は苦手だ。環七もそんなに好きではないので、都心へ出る時は今でもなるべく避けている。山手通りまで出ると、なぜかほっとする。
とにかく、環状線には色々と思い出がある。
今夜、言葉の仕事場へ向かう。
環状線に乗って。