sketch/2016.2.18【香りのしない夜道】

 行きつけの中華料理店の店主は、いつも通り私の注文を聞き返す。


 蠟梅の咲いていたはずの通りで鼻をすんすんさせてみるが、季節は少し進んだらしく、今夜は何の香りもしない。