sketch/2015.11.23

映画監督の永田琴さんの関西弁が二日酔いの頭の中をフラフラしている。生粋の人の言葉は後まで残る。その隣の羊毛くんは何杯目かのノンアルコールビールを傾け、こちらでは同郷の見田君に多少先輩風を吹かせながら紹興酒のポットをカツンカツン空けていく。声のトーンもどんどん大きくなる。お気に入りの中華料理店は貸し切りだった。昨日の場面をフラッシュバックさせながら、沢山のイスを片付ける。ふと思う。ここの窓からの公園を望む景色は9年間変わらない。もしかしたら、もうずっと変わらないのかもしれない。木々は成長するけれど。何となく納得する。納得というか、安心する。今夜は休肝日。冷たい雨の中、四川料理の赤提灯にもホッとして暖簾をくぐる。23時、閉店間際、オヤジのちょっと迷惑そうな顔にも和む。