sketch/2015.8.30

雨の甲州街道を走る。ワイパーがよぎる度に異音。しばらくして収まる。慣れた道。ゴールド免許2年目。愛車は4年目。ひと雨ごとに季節が行く。夜遅く、いつものダイナーに辿り着く。a-haのtake on meのMVが流れると、たまらない気持ちになるのはなぜだろう。まるで前世にでもいるような気持ちになる。

sketch/2015.8.29

寺尾さんの佇まいに、なんだか懐かしい気持ちになる。私が昔なりたかった美しさで音を出している人なのかもしれないと思った。sice1972という曲を彼女はチョイスしてくれた。その曲を作った時分の私が手招きしているような、彼女が歌うとそんな風に聴こえた。見晴らしの良い店でうち上がり、伊賀さんの車を見送る。気がつけば午前四時。なぜか菅沼さんと日本酒を酌み交わしている。最終的にTWO MAN。

sketch/2015.8.28

出汁をとってみそ汁を作る。ジャガイモとナスと玉ねぎ。出来上がりに卵を落として少し火にかける。炊いておいた米をおむすびにする。空が白みだす少し前。本当は起床したい時間帯。

sketch/2015.8.27

67歳の私はニューアルバムを作ったりしているのだろうか。JTの新譜を聴きながら思う。驚くのは、昔の声色よりも今の方が好みだということ。まさに円熟の極み。歳月と共に深みを増して行く声。体と心が寄り添う無理の無い心地よさを、彼は教えてくれる。閉店間際の近所のコーヒーショップで遅い夕食。

sketch/2015.8.26

静まる公園の木々には鳴くに鳴けない蝉達。そう思うとなんだか可笑しいほどに、寒い。録音の合間のスープにほっとしてしまう。アイスコーヒーもついつい温めてしまう。深夜1時から明け方まで曲作りをするも、眠くならない。さっきJTの新譜を聴いたのと、DVDの映像とでテンションは高く、脳が僕を休ませてくれない。

sketch/2015.8.25

筋肉痛は収まる。胃のもたれに似た正体は、きっと腹筋の奥のインナーマッスル酷使によるそれの筋肉痛のような症状ではないかと分析。さておき、寺尾沙穂さんの「原発労働者」を読み終える。3.11後、いろいろな書物で得る事や講演会に出かける度に、自分の無知と無力さを痛感して引きこもっているけれど、引き続き自分の中に堆積してゆくものを確認。

sketch/2015.8.24

昨日よりも体が重い。全身がだるい。一昨日の草刈りと、30キロオーバーの枕木との熱戦の後遺症は、昨日の筋肉痛をへて再びやってきた。PCの前でのエンジニア作業も10時間を超えると、ちょっとヤバい雰囲気。東の酒場から誘惑メールが届くけれど、久しぶりにアルコールを接種せずに就寝。

sketch/2015.8.23

朝の稲荷山公園。すこし行き詰まっていた曲も、自然の中ではそれに従うだけ。導かれるように出来上がる。いい気分で珈琲店をオープン。遠方からのお客さんからご近所さんまで、それぞれとは数時間でも話を出来そう。そんな顔ぶれに、カウンターの席が欲しくなる。日が暮れて、今年最後の花火が上がるというので出かける。道すがら打ち上がる花火を目指し、西武園まで。この季節、毎週末になると入間まで届く花火の音。すこし肌寒い小雨の中、打ち上がっては大輪が散ってゆく。来年も来ようと思う。晩夏という季節が始まる。

sketch/2015.8.22

今月のguzuri珈琲店も残り2営業日。伸びてきた草を刈る。汗だくでハウスまわりの仕事をする。珈琲のち汗だく、時々来客。気がつけばWNC開演1時間前。富士宮やきそばを振る舞い、歌う。guzuriではつい長くなってしまうMC。というか、会話が始まる。そこに何が生まれているのかは、ずっと後になって分かる事。毎回、何かが生まれている。

sketch/2015.8.21

吉祥寺周辺の五日市街道は大渋滞。やっとこさ車をパーキングにねじ込み、少し入った細い路地から地下に降りる。ここの階段はいつもちょっとソワソワしながら降りるのだ。誰かに会いにきたり、演奏にやってきたり、木材を担いで降りた事もある。目的が無いと降りることの無い階段。今日はリハーサル中の永積さんと少し話して階段をまた登る。少しだけ聴いた歌声に、また勝手に背中を押されたような気分になる。

sketch/2015.8.20

いよいよエアコン無しでも過ごせる日中。夏は終わりに向かい始めているけれど、蝉はむしろ威勢が良い。目当ての店は臨時休業。夜風は湿って重く、涼しげであるけれど、エアコンの効きが悪い室内のような息苦しさもある。久しぶりにワインをいただく。

sketch/2015.8.19

30kgほどの、キャタピラが付いている大きな戦車のようなラジコンで、トレーラーの移動テスト。およそ2.5トンのエアストリームがラジコンに引っ張られて、おもちゃのように動く。遠くに真っ黒な雲が控えているけれど、ヤフーの雨雲レーダーでは、それさえ行けば、という感じ。迫る来るエックスデーへ、着々と準備は進む。スタジオワークを終えて夜の街をスケボーで走ってみる。入間の車道は思ったより痛んでいる。

sketch/2015.8.18

スタジオワークの一日。ミックス三昧。AM2:00。エアストリームに本を取りに行く。それからチューハイとゴーヤチャンプルをミックス。ミックスしつづける。最近、営業の電話がやけに多い。僕の会社の情報はどこから漏れているのだろうか。追求するのも骨が折れるし、そういう類いの売買があるのは知っているので、やめる。きっとまたかかってくる。営業の電話をしていたことがあるから、彼らの事もよく分かる。

sketch/2015.8.17

雨の一日。降ったり止んだりを繰り返す。頼りない雨あがりが何度も訪れる。写真を見返しすと、西日に任せて輝く海。沖を行く風が白い波を立てている。ギターを持って曲を作る。見たままを歌詞に起こすことと、メロディーが繋がる瞬間は、ぎこちなかったり、たまに神秘的だったりする。この町で一番のとんかつを食べてから車を走らせると、御殿場辺りで雨が強くなった。圏央道は相変わらず走りやすい。ハナレグミの新譜とロードノイズと走る。150kmほど離れた町を目指す。

sketch/2015.8.16

ソフトクリームの溶けるスピードに追いつけない3歳児と、海を見下ろすサービスエリアの景色。曇り空の午後が始まる。牧場の斜面を歩いていると、さっきまで見えなかった富士山が顔を覗かす。故郷の高原で友人家族と憩うひと時。子供の頃からあるカントリー調の牧場のCMソングが場内に響いている。ハンモックに揺られ、動物とふれあい、大きなお風呂につかる。ここ数日、子供が喜ぶ価値観を学んでいる。

sketch/2015.8.15

TVの中の日本武道館と、土肥町役場のサイレンは随分ズレている。黙祷。海を背に見晴らしの良い場所まで登る。小さなビーチと小さな集落を見下ろす。あれから7年が過ぎていた。髭は蓄えていないけれど、髪の毛はまた同じくらいまで伸びている。緩やかな坂道をスケボーで下ると、カラッと、少しヒンヤリとした風に巻かれた。川沿いの道から海へ出る。ライフセイバーの見晴らし台が西日に変わりはじめた太陽できらめく水面にまぎれて、どうにもカメラのオートフォーカスに嫌われている。ここの海に蓋をしていたつもりはないけれど、その蓋をそっと開けてしまった気がした。「海のふた」そんな名前の映画が放映されている。

sketch/2015.8.14

その、ちょっとした高台からは狭山丘陵が望める。老朽化が始まっている巨大な建造物は、地方都市の負の遺産と呼ばれそうな閑散とした佇まい。大きな吹き抜けの空調の効いただだっ広いロビーには、たった1人の受付がいるだけ。とても広い庭では、無造作に雑草を刈る音。干上がった池。それでも、終わりに向かいはじめた夏の気配に美しく浮かび上がる風景がある。そこから高速道路へ乗り、7年ぶりの海へ。峠を抜けると、壮大な夕やけが始まっている。道をそれてシャッターを切る。

sketch/2015.8.13

お盆。午後、ふと見た光と影に、儚さを感じる。夏が折り返して、次の季節へ向かいはじめる。新しい気持ちにも向かいはじめる。WNCは9回目。この夏、富士宮焼きそばも100食以上は軽く作っていることに驚く。

sketch/2015.8.12

ハナレグミの新譜が届いた。去年の終わりからguzuriで脈々と続いていた録音の風景を想いながら聴く。あいのわの録音から6年経つ。あの日の、確かに歌う事について何かをもらった感触が、それからずっと続いている。今もそれを信じて歌っている。また一つ、時間の宝物が増えた。この場所をつづけていて良かったと思いながらguzuriで珈琲を振る舞っていると、ドアベルの音と原田姉妹の笑顔。ここ最近、約束の無い待ち合わせのように人がやってくるguzuri珈琲店。今日の雨は、降っては止んでを繰り返していたけれど、不思議とお客さんの来る時と帰る時は止んでくれていた。

sketch/2015.8.11

こうしてゆっくり食事と酒と、3人で時間を交わすのはもう数年ぶり。入間にやってきてからの時間はこの二人とのあゆみでもある。SO-SO酒井夫婦との団らん。19日に発売される新譜を持っていく。話はつきない。気がつけば午前3時。この土地に辿り着いてから、もうすぐ10年目を迎える。そのうちでいいから、沢山の出来事をまとめたり、形にしなければという気持ちが芽生える。

sketch/2015.8.10

2007年の真夏に、LAKEのアルバムを録ってから8年。伊賀さんと長久保さんがguzuriで揃うのはそれ以来。ロックステディというジャンル。スカとレゲーを繋いだ時代の音楽。真夏の暑さにうな垂れたスカのスロービートが、ロックステディの始まりという説に、真夏の録音はぴったりだ。良い音がしている。マイクを立てた後は、その音楽の観客でいられる。

sketch/2015.8.9

午前4時。太陽がすぐそこまで迫る、真っ暗な時間からの作曲は冴える。朝の澄んだ空気に乗って、ガタゴトと西武鉄道の音。カラスが蝉を追って飛び回っている。ここのところ奇形な姿で転がっている蝉の亡がらの真相は、放射能汚染ではないかと疑ってしまう。昼間、古いエンジンの音を轟かせてトムズキャビンの麻田さんがやってきた。話を聞くと、或るフェスティバル再開の兆し。食事を済ませると、また豪快なエンジンを轟かせて帰ってゆく。昨日も今日も、入間の大先輩たちとの会話。入間や狭山という土地について、今一度考える時期が来ているのかもしれない。今夜でWNCも8回目。

sketch/2015.8.8

今日はエアコンの効きが良いなと思い、外へ出てみると涼しい陽気。入間の未来について入間の先輩と話し込む。珈琲店らしい午後。夏も中盤。

sketch/2015.8.7

この3日間の録音が延期になったので、もうずっと目をつぶっていた事をした。こんな夏のさなかにする事ではないと思いながらも、安全靴と褪せに褪せたデニム、Tシャツとほっかむり。サウナのように汗をかくけど、汗に風があたるのが心地よい。汗をいっぱいかいて扇風機に当った子供の頃を思い出す。エアコンは家に無く、汗だくで畳に寝転んだ。首振り扇風機の風が来るのが待ち遠しかった。少し効きすぎたエアコンが寒くて目が覚めた午前3時。

sketch/2015.8.6

人間の体はつくづく無意識の固まりだと思う。発声時も、知らず知らずに様々な筋肉が連動している。その一つ一つを紐解く作業は果てしなく面白く、たまに大きな発見をして大喜びをする。今日はそんな朝。ぽっかりと予定の空いた午後は、この夏一番の暑さにも関わらず、灼熱のコンテナ倉庫整理。

sketch/2015.8.5

早朝のメールで録音の仕事が延期になる。手につけられていない事ばかりなので、そちらにギアを入れ替える。入間で一番のうどんを食べてから、タオルを頭に巻き、炎天下に繰り出す。夕方になると、とても分厚い入道雲が遠くに高くそびえている。西日で縁取られた輪郭が、すこしずつ薄くなり夜が来た。ホームセンターへ着く頃には真っ暗な空に、何度も稲光りが見えた。

sketch/2015.8.4

夕方に外へ出ると、いい感じで夕焼けが終わりを迎えている。思い立った用事を済ませて、街を歩く。ちょっと贅沢なご飯とお酒が飲みたくなって、見晴らしの良い店に行くことにした。鮎とミョウガの炊き込み御飯と日本酒を頂いて、休日が終わる。

sketch/2015.8.3

泣く泣く早めに引き上げた昨晩の自分に拍手を送りたくなる、早朝6時。それでも1ℓジョッキの後遺症が残る。それから午後一番までのスタジオワークと焼きそば10人前を振る舞う大仕事を終え、浦和へ。NHKさいたま局を後にし、夕暮れの17号線を走りはじめると、薄紫ピンクの夕暮れが始まっている。85.1Hzの電波には、さっきまで話していたアナウンサーの声。夕方の渋滞とヘッドライトの群れの中。

sketch/2015.8.2

トーベンさんに、そんな褒め方をされたのはとても嬉しかった。思い返す程、その言葉に年輪を感じるので、またこの先何十年も、その言葉に支えてもらえると思う。


 

sketch/2015.8.1

頂いたスイカをカイ君一家と食べる。もちろん志村食いの出来るカッティングをする。WNCもすでにVol7。そしてあれよあれよと時間は過ぎ、花火大会の時間になる。間に合わず今年は断念。夜のドライブとノンアルコールビール。ガソリンを入れる度に罪悪感がする。考えないようにする。今年も8月が来た。

sketch/2015.7.31

4時に目が覚める。公園へ出るとそこは、カラスと猫の王国。猫は伸びた芝生に潜んで臨戦態勢を崩さない。カラスは数にものを言わせ優勢。曇った朝の人気の無い時間。見渡すと余りのカラスの多さに鳥肌。猫には頑張って頂きたい。早朝の曲作りははかどる。「坂道のゆくえ」という曲が、8年越しの完成。