sketch/2015.8.15

TVの中の日本武道館と、土肥町役場のサイレンは随分ズレている。黙祷。海を背に見晴らしの良い場所まで登る。小さなビーチと小さな集落を見下ろす。あれから7年が過ぎていた。髭は蓄えていないけれど、髪の毛はまた同じくらいまで伸びている。緩やかな坂道をスケボーで下ると、カラッと、少しヒンヤリとした風に巻かれた。川沿いの道から海へ出る。ライフセイバーの見晴らし台が西日に変わりはじめた太陽できらめく水面にまぎれて、どうにもカメラのオートフォーカスに嫌われている。ここの海に蓋をしていたつもりはないけれど、その蓋をそっと開けてしまった気がした。「海のふた」そんな名前の映画が放映されている。