sketch/2014.12.5

築およそ100年の、海の見える斜面に建つ古民家。眼下にひろがる瀬戸内海と上空を旋回する沢山のとんび。遠くの陸は大阪だろうか。大きな船が行き交う。日が暮れてゆく中、カイ君のワークショップは、ささやかに生活を豊かにしてくれるものだった。夕焼けの空が少しずつ月明かりに変わってゆく。寒波が来ている。歪んだ柱と建具の隙間からは海と風が飛び込んでくる。オイルヒーターに毛布をかけて囲む。NEHAの白神さんがカレーを作ってくれる。こんなに優しく歌うのは久しぶりだった。目の前に居る人達の瞳にもたれるように言葉を置いて来た。 道は交差する。カイ君に連れて行かれた場所で、僕は白神さんと初対面では無かったと、お会いして分かった。そして終演後には淡路に移住したPすけさんと再会。冗談みたいに道は繋がっている。突然やってくる不意打ちの答え合わせ。大きなマルに無邪気になる。 御殿場辺りで朝焼けの中に入った。長い道中、車の中でカイ君と過ごした時間が形になるまで、遠くない感じ。足柄サービスエリアにある温泉から上がると、白い雪が薄桃色に光る富士山が見えた。