sketch/2015.4.9

その日の気持ちに合うコード感でギターを弾けると、ふと曲ができる。不思議と次の音が聴こえてくる時は、なるべく逆らわないのがいい。言葉も口をついて出たものが結局良かったりする。まだストーブが必要な陽気が続く。エアストリームの中で曲を作っていたけど、突然の訃報を受けてからは、胸が裂けるような思いがフラッシュバックで続いている。彼女は、歌を残せて、幸せだったと、そう思うほかない。そう思うほかに無いが、同じ年頃のシンガーとして、無念の想いが、巡る。いつかのラジオの収録でWater is wideを歌った。僕と羊毛君のギターに彼女の声が乗ると、感動で笑みがこぼれた。歌を歌う為に生まれて来た人だと思った。彼女の歌は、そして彼女は、沢山の人を幸せにした。だから彼女は幸せだと、僕はそう決めつけることにした。 冬が凍て返す高岡駅のロータリーで、東京へ向かう深夜バスをまつ女の子がいる。そんなはじまりのストーリーが勝手に頭のなかで生まれると、もう、泣きそうになる。