sketch/2016.4.13【低気圧の心】

 軒先からしたたる雨粒がベランダの手すりを叩き、カリンバのような音がしている。


 不規則な音が続いていると、それはそれで規則的にも聞こえ始めるから不思議だ。


 ここは日本で今は春の、まだ凍て返したりする時期であるが、亜熱帯の木陰でうな垂れる心地がするのは、さっきから聞こえてくる音がカリンバよりもバリのガムランの音色に近いと気がついたせいだろう。


 もう深夜1時をまわったところ。明日は早い。


 雨脚が弱まると今度こそ、ガムランの音色よりもカリンバに近い気がする。