sketch/2015.3.8

珈琲や食事が振る舞われる。用品店には春夏の服も並び、アロマの良い香りもしている。演奏も一時間を超えると、ぐずりだす子供もいる。あるいは寝てしまう子供。はたまた、演奏を聴き続けてくれている子。ソファーの寝顔を見ていると、親でもないのに愛おしい気持ちになる。日が暮れて、ゴミを捨てに行く。手をつないで歩く彼の目に、この街のゴミ集積所までの道のりは、どんな風に映るのだうか。同じような家が沢山並んでいて、カフェを何件か通りすぎ、花屋もあって、同じような家の形をしたゴミ集積所までの道のりの事を、明日には忘れてしまうのだろうか。 大人になっても、ふいに思い返す風景がある。なんでその場面を覚えているのだろうか。意味はあるのだろうか。 帰り道で、その手は走り出して僕を置いて行く。扉に手をかけてから、こちらを少し見て、あかりの灯ったguzuriに入って行った。