sketch/2015.3.16

母の送ってくれた酒粕ケーキは絶品だった。乳製品にアレルギーが有ると分かってから数年。近頃は調味料まで手作りという凝り性。実家に帰ると、子供の頃は少なかった、おふくろの味というのがそこにある。小学校のころは、家の中は油絵の具の匂いだった。アクリル、水彩、木炭、ありとあらゆる画材が散らばっていた。近頃は、染色。帰宅すると作りかけの作品が所狭しと並ぶ。僕らを育て、生活に疲れながら、誰に頼まれる訳でもなく、ひたすら何かを生み出す姿を見てきた。母の才能は、これから開花するのだと思う。 朝食を済ませ、guzuriのテラスで珈琲と酒粕ケーキを食べながら、春を感じる。